怜士の本棚

不定期に読んだ本の記録や、感想を載せていきます。ファンタジーやミステリー系が多いです。たまに、日記のようなものを書きます。

読書感想文

『紅蓮館の殺人 阿津川辰海』読了

※本文にはっきりと真相は書いていませんが、核心に迫る事実を書いております。気になる方は、ブラウザバック推奨です。 本作品はタイトルから推測できるように、綾辻行人先生の『十角館の殺人』の系譜にあたる作品だ。所謂クローズドサークルもので、かつ殺…

『午前0時のラジオ局』村山仁志

今日は久しぶりに新しい作家さんの登場です。 村山仁志先生は、僕の大好きな村山早紀先生のごきょうだいという事で、前々から本を出されていることは知っていましたが、読んだのはこの本が初めてです。 物語は、主人公・鴨川優が、テレビのアナウンサーから…

『コンビニたそがれ堂 花時計』村山早紀

久しぶりに村山早紀先生の作品から、『コンビニたそがれ堂』シリーズです。 本当は発売日に買いに行きたかったのですが、色々とバタバタしちゃって中々買いに行けなかった本です。 しかも、ちょうどコロナウイルスが猛威を奮い出した時期頃でしたからね。早…

『怪盗探偵山猫 深紅の虎』神永学

とうとう山猫シリーズ最終巻『深紅の虎』です。 最終巻って言われると、凄く寂しい気持ちになって読み進める手が遅くなって、読み終えたあとも喪失感に襲われるのですが、この本だけは珍しくそんな事はなかったです。 それと、この表紙の山猫、凄くかっこい…

『怪盗探偵山猫 月下の三猿』神永学

山猫シリーズ第五巻『月下の三猿』です。 三猿、というのはそのままの意味で『見ざる、聞かざる、言わざる』の事を指します。 三猿といえば日光東照宮ですが、またこのくだり話し始めちゃうと前置きがめちゃくちゃ長くなってしまうので、余談トークに回しま…

『怪盗探偵山猫 黒羊の挽歌』神永学

続いて山猫シリーズ第4巻『黒羊の挽歌』です。 山猫シリーズに登場する名前って動物モチーフ多いですよね。今回は『羊』です。 雑誌記者・勝村英男は、夜道を歩いている時に男たちに絡まれ、仮面をつけた謎の女に危機を救われる。 彼女が立ち去った後に落ち…

『怪盗探偵山猫 鼠たちの宴』神永学

引き続き『怪盗探偵山猫』シリーズ第三巻、『鼠たちの宴』です。 今作は前作までとは違い、短編集になっています。 失踪したバンドのリーダーを探すヴォーカル、姉の死の真相を探る妹、新興宗教の教祖、そして犬井刑事との因縁の相手とは……。 前述の通り短編…

『怪盗探偵山猫 虚像のウロボロス』神永学

今日は山猫シリーズ第二巻、『虚像のウロボロス』です。 『ウロボロス』とは、自分の尾を噛んでいる蛇もしくは竜を図案化したものですが、意味としては「死と再生」「不老不死」「始まりと終わりのない完全なもの」というものがあります。 さて、この物語の…

『怪盗探偵山猫』神永学

さて今日からは今まで通り一日一投稿に戻って、これまでと同じ神永学先生作品より『怪盗探偵山猫』シリーズの感想文を載せていきます。 暫く神永学先生の色んな作品を読んできましたが、爽快感といいますか、スピード感があり一番ハラハラドキドキしたのがこ…

『浮雲心霊奇譚 菩薩の理』神永学

浮雲シリーズより第三巻、『菩薩の理』です。 菩薩、と聞いて何を思い浮かべますか?地蔵菩薩とか六観音菩薩とか……。 褒め言葉として菩薩のような顔とかもありますしね。 基本的にはポジティブな意味の言葉ですが、果たしてこの物語の菩薩の正体とは……。 収…

『浮雲心霊奇譚 白蛇の理』神永学

浮雲シリーズ第四巻、『白蛇の理』です。 これまで単行本版で書いてきましたが、ちょうど文庫本版が並んでいたので、この本だけ文庫本です。 場所をとらない、って意味では文庫本版が気に入ってるのですが、読みやすさでいったら単行本版かなぁ、と思って最…

『浮雲心霊奇譚 妖刀の理』神永学

『浮雲心霊奇譚』シリーズより第二巻です。 妖刀の理、と言うだけあって察しの良い方なら、それが何ものなのかお分かりなのではないでしょうか……。 ちょっとした予備知識があるだけでも、本を読むのが楽しくなっちゃいます。 四の五の言ってないで、さっさと…

『浮雲心霊奇譚 赤眼の理』神永学

今日からは神永学先生の作品より『浮雲心霊奇譚』シリーズです。 八雲のルーツを描いた作品で、作中の舞台は幕末、時代劇寄りの物語です。 僕は歴史は好きですが、歴史モチーフの物語は読んだことがほとんど無く、しかも幕末は日本史の中で1番苦手な時代です…

『万能鑑定士Qの事件簿Ⅴ,Ⅵ』松岡圭祐 読了

今日は万能鑑定士Qの日、二つ目です。 思いがけない人物の登場と、共感性羞恥ってやつでちょっと読み進めるのが恥ずかしくなっちゃった二つのお話です。 五巻には、莉子が高校生だった頃の恩師・喜屋武先生が再登場します。 そして、その先生と共にパリに渡…

『万能鑑定士Qの事件簿Ⅲ,Ⅳ』松岡圭祐 読了

ひとつ空けて、再び万能鑑定士Qシリーズです。 もう一つの記事も万能鑑定士Qなので、今日はQの感想文の日です。 皆さんはジョン・ケージの『4分33秒』という曲をご存知でしょうか。 この曲の楽譜には休止符しか書かれておらず、4分33秒の間、静寂を楽しむ、…

『鬼人幻燈抄 葛野編 水泡の日々』中西モトオ 読了

本日二つ目の投稿は『鬼人幻燈抄』です。 この本は、最初新聞の広告で最新刊のイラストとあらすじを見て、面白そうだなと思っていたところで、読書垢でも時々見かけていたので、物は試しと思っても購入しました。 最初はWeb発の小説、ということもあり、ラノ…

『万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ,Ⅱ』松岡圭祐 読了

今日は久しぶりに再読シリーズで『万能鑑定士Qの事件簿』をお送りします。 そして昨日書いた通り、2つづつ載せていかないとどんどん置いてけぼりを食らうので、今日から3日か4日は2つ投稿です。 もう1つの感想文もよければ読んでくださいね。 再読シリーズと…

『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES 裁きの塔』神永学 読了

ANOTHER FILES 三作目、前作で石井さん、後藤刑事に続いて、スポットライトが当てられるのはヒロイン・晴香ちゃんです。 といっても、晴香ちゃんの過去については本編でやっているので、2人のような巻き込まれ方ではなく、まさかの容疑者として巻き込まれて…

『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES 祈りの柩』神永学 読了

昨日に引き続き、ANOTHER FILESです。 既刊が6冊なので、3冊づつ載せていこうかな……。 少しネタバレを含む感想を書きますのでお気をつけください。 この作品で『幽霊』として登場する女性がいるのですが、僕はその女性を美しい、と思いつつも、少しだけ恐ろ…

『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES いつわりの樹』神永学 読了

八雲シリーズ11巻を読むつもりが、先にANOTHER FILESに手を出してしまいました。 ANOTHER FILESの新刊が出るってなったら読まざるをえないじゃないですか……?というのは言い訳です。 ANOTHER FILESは本編の外伝的作品です。 本編は八雲の父である両眼が赤い…

『呪い唄 長い腕Ⅱ』川崎草志 読了

また明日お会いしましょう、とか言いながら一日遅れての投稿です。 悲しいニュースが連続する中での昨日のニュースでしたので、心を落ち着けようとちょっと筆を休めてしまいました。 今日からまた毎日投稿です、よろしくお願いします。 前作の最後に従兄弟兄…

『長い腕』川崎草志 読了

この本は、一応ミステリーのような扱いではありますが、実は結構ホラー寄りの小説です。 初めて読んだのは中学生の頃でしたが、まだミステリーを読み始めた頃だったので、こんなお話もあるのか……と衝撃的でしたね。 物語は、いくつかの事件が起こるところか…

『くちびるに歌を』中田永一 読了

先日『線は、僕を描く』を読んだ影響もあって、久々に青春系の小説も読んでみようかなと思い、引っ張り出してきました。 写真をじっくり見るとわかるのですが、僕が持っている本の中で一番何度も読み返している本なので表紙の端が所々擦れています。 と言っ…

『線は、僕を描く』砥上裕將 読了

この本は、芸術を愛する全ての人に読んで欲しい。 かつて、自分に足りないものがあるがそれが何かわからず、苦しんだ事の答えが、この本には描かれている。 主人公・青山霜介は、17歳の時、両親を事故で亡くした。 その直後は、「自分が頑張らなくちゃ」とい…

『コンビニたそがれ堂 小鳥の手紙』村山早紀 読了

今日は再び、大好きな村山早紀先生の作品から『コンビニたそがれ堂』シリーズです。 最新作が発売となりましたね!といっても、僕の住処は、関東圏から離れているのですが、お店に並ぶのは数日遅れてからです、買いに行けるのが凄く楽しみです。 『コンビニ…

『心霊探偵八雲9,10』神永学 読了

いよいよ『心霊探偵八雲』シリーズもラストスパートです。 今のところシリーズの中では1番心に刺さりますが、優しさもある、と言った感じのストーリーでした。 『心霊探偵八雲9 救いの魂』 八雲は、かつて高校の同級生だった蒼井秀明の妹の生霊を目撃した。 …

『心霊探偵八雲7,8』神永学 読了

さて、また『心霊探偵八雲』シリーズに戻ります。 気がついたら本編にあたるシリーズも残り三冊ですね、番外編みたいなお話の本も買っているので、こちらは今までの積読を消費し次第手をつけて行こうと思っていますので、よろしくお願いします。 『心霊探偵…

『かなりや荘浪漫 廃園の鳥たち』村山早紀 読了

今日は先日の分と入れ替わってしまった『かなりや荘浪漫 廃園の鳥たち』です。 この本は元々、集英社オレンジ文庫さんから販売されていたものをPHP文芸文庫さんから再出版されたものです。 僕も前に出版されていた方を持っていましたが、げみさんの素敵なイ…

『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』相沢沙呼 読了

やられました、作者の掌の上で思いっきり踊らされました。 色んな書店で凄く推されているので、そんなに面白いのかなぁと思ってましたが完全にやられました。 この感想を書いているのは、読了してから一夜明けてからなのですが、読み終わったあとの脱力感が…

『コンビニたそがれ堂 神無月のころ』村山早紀 読了

今日は僕が好きなシリーズの一つである『コンビニたそがれ堂』です。 『神無月のころ』はシリーズ5作目にあたります。 『コンビニたそがれ堂』シリーズとは。 風早の街の商店街のどこかの角に、黄昏時にだけ現れる不思議なコンビニ。 そのコンビニには、世界…