怜士の本棚

不定期に読んだ本の記録や、感想を載せていきます。ファンタジーやミステリー系が多いです。たまに、日記のようなものを書きます。

『怪盗探偵山猫 月下の三猿』神永学

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山猫シリーズ第五巻『月下の三猿』です。

三猿、というのはそのままの意味で『見ざる、聞かざる、言わざる』の事を指します。

三猿といえば日光東照宮ですが、またこのくだり話し始めちゃうと前置きがめちゃくちゃ長くなってしまうので、余談トークに回しますね。

 

招待を隠してバーのマスターとなっている山猫の元に、猿の娘と名乗る少女が現れた。

彼女は父親が残した"猿猴の月"というものを探して欲しい、と言ったが、バーを猿のお面をつけた謎の集団が襲った。

それと同時に謎の遺体が発見され、霧島さくらは現場に向かった。その遺体の手のひらには、猿の刺青が刻まれていた。

少女の言う"猿猴の月"とは一体何なのか、そして共通する猿は何者なのか……。

 

今回のお話では、前回に引き続き仮面の少女・黒崎みのりちゃんが登場します。

そして、犬井刑事の隠された過去が明らかに、何故彼がああいった人間になったのかも明らかになります。

石井さんの時といい、主人公ではない人間で、その人物を形成している過去を知る回って凄く好きなんですよね。

過去を知る回っていうか、他のキャラクターにもスポットライトが当てられる回というか。シリーズもの故の醍醐味ですね。

 

そしてちょっとした隠れ主役であるみのりちゃんとサツキちゃんの微笑ましい成長が見られる回でもあります。

少しだけネタバレになってしまいますが、彼女達二人は少し反社会的な父親をもっています。

子は親を選べませんから、子供が負い目を感じてしまうのは当然だと思います。

しかし、そんな境遇でも彼女達は父親のことを恨まず、懸命に生きる道を選びました。

自分は反社会的でありながらも、娘には真っ当な道を進んで欲しい、父親からのその愛を感じられたからです。

ただ、なんというか僕はそういった境遇では無いので、真の意味で理解することは不可能ですが、親のことを負い目に感じて自らを閉じ込めてしまうのはよくない、ということは何となくわかる気がします。

意味合いが違うとは思いますが、親子でも別々の人間、うーん……難しいなぁ……。

 

さて、最後にとっておいた日光東照宮のお話です。

最初に言っておきますが、行ったことは無いです。世界遺産の図鑑で見たきりです。一度行ってみたい世界遺産の一つではあるのですが。

日光東照宮といえば日光東照宮陽明門ですよ!そしてあの権現造の建物がなんとも言えぬ豪華さと絢爛さを放っているんですよ……。

そしてなんと言っても神仏習合だった信仰が、明治に入って神仏分離令によって別々になるわけです。その歴史とともに変わっていった信仰形態や、建物をじっくりと見てみたいものです。

 

最後にもう一つだけ余談。

本日(4月12日)、ようやく引越しが完了しました。

本を並べて自分好みに本棚を作ることが楽しみで仕方ないです。落ち着いたら本棚の写真も載せられたらいいなぁ……。

 

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

また明日お会いしましょう。