怜士の本棚

不定期に読んだ本の記録や、感想を載せていきます。ファンタジーやミステリー系が多いです。たまに、日記のようなものを書きます。

『長い腕』川崎草志 読了

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この本は、一応ミステリーのような扱いではありますが、実は結構ホラー寄りの小説です。

初めて読んだのは中学生の頃でしたが、まだミステリーを読み始めた頃だったので、こんなお話もあるのか……と衝撃的でしたね。

 

物語は、いくつかの事件が起こるところから始まります。

車両内での突然の刺殺、空港で起こったパニックによる何人もの女子高生の死、女子中学生が親友を猟銃で撃ち殺して逃亡、そして、主人公・島汐路の勤務する会社で起こった飛び降りの無理心中。

会社を月末に退職する汐路は、このなんの共通点のなさそうな事件で、女子中学生と無理心中をした社員が、共通の持ち物を持っていることに気がつく。

退職した汐路は、両親が亡くなって以来一度も帰っていなかった実家へ帰り、気になっていた事件を調べることにした。

 

始まりは、いくつかのバラバラの事件だったのですが、女子中学生と写真の共通の持ち物や、女子中学生の事件が起こったのが、実家がある地域だったこともあって、汐路が気になって調べていくうちに、全ての事件が1つの点に結ばれていきます。

核心に迫るネタバレはなしです、真相が気になる方はぜひ読んでみてください。

 

汐路の上司・石丸圭一という、俗にいうイケメンにあたるような人物が登場するのですが、彼は何かと汐路を気にかけてくれて、事件解決へと進めていく重要人物です。

いい人……一応いい人なんですけどね……、ちょっと変わった人なので、初めて読んだ時の印象は最悪でしたね、汐路の事を思ってのその行動っていうのはわかってはいるのですが。

何を考えて生きてたらあんな方法を思いつくんだ……?

多分僕が今まで読んだことのある本の中で一番人間が死んでいるのではないでしょうか、それもえげつない死体処理も。

帯に書いてある『歪み』というのは勿論重要なキーワードなのですが、『歪み』以前にちょっと『狂気』っていった方がいい気がします、でもこの狂気というのは、一連の事件の大元の原因の人物、ではなく田舎の人間に対してです。

田舎の村八分も恐ろしく怖いのですが、この舞台になっている地域というのが特殊で、それ故に人間はここまで残酷になれてしまうのだろうかと思いました。

この物語どれだけ人間狂えるかっていう競走でもしてるのですか?勿論褒め言葉ですけど。

 

主人公・汐路の実家というのは、田舎の大きな日本家屋で、本人はそれを嫌っているようでしたが、日本家屋って少し憧れませんか?

ただ住む、となったら手入れは勿論のことお手洗いだとかが不便だ、ってのはわかっているので、まぁ、泊まるだけなら、ぐらいなのですが……。

というより、一番面倒くさそうなのは庭の手入れですよね、広ければ広いほど大変。正直に実家の庭の草むしりを手伝った時ですらめんどくさいなぁ、と感じていたので、住むのは確実に無理ですね。

それでも時々、畳には寝たいなぁと思います。

ただ、とても寝相が悪いので、畳に布団を敷いて寝て起きた時、布団を裏返しに被っていたり、布団からはみ出したりしてます。

ベッドみたいに落ちることがないので、どっちかっていうと布団の方が好きです。

 

そして最後にちょっと最近買った本を載せてみます。

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僕の影でちょっと見えづらいですが、表紙が反射で白くなってしまったので、それを防ぐためです……。

浮雲シリーズもまだ未読ではあるのですが、ちまちま集めています。そしてこの本は、神永学先生のサイン本なんです。買う予定はまだまだなかったのですが、見つけてしまってうっかり買ってしまいました。

万能鑑定士Qシリーズは、確か中学生くらいの頃に読んでたのですが、最近また読み直しているので、まだ買っていなかった分を集めています。こちらもそのうち感想を載せるのでよろしくお願いします。

鬼人幻燈抄は、表紙買いしたものが結構面白くて買ってしまいました。こちらも近いうちに載せるつもりです。

 

同じ読書好きの方ならわかると思うのですが、読もうと思って本を集めていくうちに、どんどん積もっていく現象が起こるんですよね。

実は引越し前なのですが、またどんどん本が散らかっていってしまってます、そろそろ片付けないとやばいですね……。

 

最後になってしまいましたが、この『長い腕』はシリーズもので全三巻からなっています。

二巻までは読み終えているのですが、三巻がまだ手に入れられていないので、引越しした後に取り寄せてもらおうかなと、どんな結末を迎えるのでしょうか……。

 

本日も最後まで読んでいただきありがとうございます。

また明日お会いしましょう。