『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES いつわりの樹』神永学 読了
八雲シリーズ11巻を読むつもりが、先にANOTHER FILESに手を出してしまいました。
ANOTHER FILESの新刊が出るってなったら読まざるをえないじゃないですか……?というのは言い訳です。
ANOTHER FILESは本編の外伝的作品です。
本編は八雲の父である両眼が赤い男と、八雲の対決のようなものを描いていますが、こちらの作品では八雲以外の登場人物にもスポットライトを当てた作品です。
その一作目では、僕の大好きな石井雄太郎にスポットライトを当てた作品になっています!
主要な登場人物の中では、中々語られることのない石井さんですが、この作品は最後まで石井さんです。
本編に登場する石井雄太郎という人間を構成するものを知ることができて嬉しいというか、なんというか。
しかし物語の内容としてはそこそこキツかったです。石井さんという人物を知っているが故に尚更。
自分の身勝手な都合から生まれた悲劇が、何年もあとに復讐として降りかかる、しかも八雲シリーズというものが、犯人の動機が『悪』だけしかないというものがなく(ほとんど無い、の方がいいかな)、読み終えた後になんとも言えない悲痛な気持ちになるんです。
犯人がただ完全な悪であったならば、この人物のせいで!とでも憤ることが出来ますが、愛していたが故に殺人に手を染めてしまった、とかが多くて、許されることではないことはわかっているのですが、ただ憎むだけ、という事が出来なくて、ただ悲しい気持ちになります。
でも完全な悪、と言うものもどんなものなのでしょうか。
「殺したいから殺した」とか「興味本位から殺した」とかも悪になるのですかね……。
前にも言ったことあるような気がしますが、僕が石井さんが1番好きなのは、一番人間味あるキャラクターだから、というような気がします。
最初の方の頃こそ、なんだコイツ……って感じでしたけど、最新話になるにつれてどんどんかっこいい一面を見せてくれることもあるので、石井さんが成長してる!とも嬉しい気持ちになります。
さて、いよいよ八雲シリーズ本編もクライマックスを迎えるようです。
神永学さんのTwitterを拝見すると、もう12巻のゲラチェックに入っているようです。
シリーズ最終巻をドキドキしながら待つ、というのが久々の経験なので、心臓がもつでしょうか……。
待て!しかして期待せよってやつですね。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
また明日お会いしましょう。