怜士の本棚

不定期に読んだ本の記録や、感想を載せていきます。ファンタジーやミステリー系が多いです。たまに、日記のようなものを書きます。

『天空のミラクル』村山早紀 読了

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今日は『桜風堂ものがたり』の感想文の中に登場した、『天空のミラクル』の感想文です。

実はちょっと嬉しいことがあって慌てて再読したので、画像の本に栞が挟まったままです…。

 

いきなり本題から入りますが、その嬉しいこと、というのが作中に登場する香水『LANCOME miracle』を何年か越しに手に入れることが出来たからです!

 

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実を言うと僕は香水もとい、匂いのあるものが凄く苦手です。

あまりに強い柔軟剤の匂いを嗅ぎ続けるのも無理ですし、車のエアコンに取り付ける芳香剤のようなものがついている車に乗ると、走ってもないのに気持ち悪くなってしまいます。

なので実際に使用するかは試しに長時間使用してみて、になりそうですが、少し嗅いでみた感じでは嫌な感じはしませんでした。

もし、使用できなかったとしても、大好きな物語に登場するものが実際に手元にあると、何だか懐刀を持っている、という訳ではありませんが力強いお守りを持っているようで、何だか安心できるような気がします。

僕は文章から匂いを想像するってのがちょっと苦手で、なるほど桃崎さんの香りっていうのはこういう香りなのか、と納得しました。

というか、こんな話をしていたら推しの匂いを身につけたいオタクみたいですね、まぁ、根はオタクなのですが。

 

閑話休題、物語本編の話をしましょう。

この物語の主人公・時岡さやかは、人には見えないものが"見える"少女です。

それ故に他人と自分との違いに負い目を感じ、段々と心を閉ざしていってしまいました。

ある時さやかは、風早(かざはや)の街に引っ越してしてきます。

その街のさやかが住む家には一人の少女・桜子という幽霊がいました。その少女は、かつてこの街に住んでいた不思議な力を持つ少女でした。

その少女が告げる、これからこの街に起こることとはー。

心を閉ざしてしまっていたさやかの周りに起こっていく出来事を描いた物語です。

 

今ちょっとあらすじを書いてて面白くて思わず微笑んでしまったのですが、それは、『さやか』と入力すると『清』と予測変換に表示されるのですが、作中に『お清』という、さやかの祖先にあたる人が出てきていたからです。

偶然かもしれませんが、僕はちょっとしたこういうのが好きなんですよね。

 

さて、先日の記事にも書きましたが、この作品が僕が初めて出会った村山早紀作品です。

出会った年齢までは覚えてませんが、小学生の時で、その後中学校で続編にあたる『天空のミラクル 月は迷宮の鏡』と出会い、最終的に、高校の図書館で本屋大賞として並べられていた『桜風堂ものがたり』で、再び村山早紀さんと再会しました。

その出来事が嬉しくて、当時のTwitterで呟いたのですが、それを村山早紀さんご本人のTwitterから反応があって、ちょうど『天空のミラクル』がポプラ文庫さんから再出版されるとの事でした。

その時に出版された本が、一枚目の写真の左側の本です。

それ以降というもの僕はすっかり村山早紀作品の虜になってしまいました。

 

その村山早紀作品の中でも、最初に読んだから、というのもありますが1番好きな作品です。

なんというか、この物語の中の不可思議な現象に対しての考え方が凄く好きなんです。

確かに人ならざるもの、あやかしはいるのですが、心霊スポットなどに行って見てしまったものは、自分の怖いと思う気持ちが生み出してしまった幻であるという考え方です。

夜道を歩いていて、何か出てくるのではなかろうとビクビクしながら歩いてる時に、風が吹いて木々が揺れると、余計に怖くなってしまうみたいな感じでしょうか。短く言ってしまえば、要は気の持ちようってやつです。

なんでしょう、この作品のテーマは一人の少女の成長みたいな感じですが、『思いこみ』というのもテーマだと思います。

ネタバレになってしまうので詳細には語れませんが、さやかも『思いこみ』で勘違いしていて、物語の転にあたる部分も『思いこみ』によって発生しています。

この事には、実は再販したものを読んで気が付きました…。

 

中学校で再会した『天空のミラクル』も書籍は持っているのですが、こちらもポプラ文庫さんから再販の『天空のミラクル 夏の魔法』はまだ手に入れられていません。

ポプラ文庫さんから再販のあとがきには、売れ行きさえよければ続編を書きたいと村山早紀さんも仰っていたので、淡い期待を寄せながら、首を長くして待っていようと思います。

 

最後まで読んで頂きありがとうございます。

連続で『心霊探偵八雲』の感想を書いていくのは、なんとなく個人的に疲れちゃうので所々別の本の感想も載せていきたいです。

ではまた明日お会いしましょう。