『心霊探偵八雲6 失意の果てに (上・下)』神永学 読了
今日は上下巻の表紙を揃えると一枚の素敵なイラストになる『心霊探偵八雲6 失意の果てに』です。
素敵なイラストになる、というのは本当に表紙だけの話で、サブタイトルの通り、今までの中で一番読み進めるのが辛かったお話です。
以下大まかなあらすじです。
前巻の終わりに逮捕された犯人・七瀬美雪。
その彼女が、拘置所の中から『斉藤一心を殺す』と殺害予告をした。
それを受けた後藤と石井は一心の警護を務めるが、そのかい虚しく一心は何者かに刺されてしまった。
八雲を襲う最大の危機、彼にこの事件の真相は解けるのかー。
そういった感じに、斉藤八雲という人間を形成する上で重要な人物である、叔父・斉藤一心に起こった事件を描いた物語です。
下巻のあらすじまで書いてしまうと、もっと凄いネタバレしてしまいそうなので、上巻のみです。
あのあらすじだけでもう、なんとも言えない悲しさが襲ってくるような物語ですが、この先の物語が続いていくにあたって、必然、とも言えてしまうような事件なのでほんとにいたたまれない気持ちでいっぱいです。
湊かなえ作品とか結構読みますが、違うんです、こういうお話にこういうものは求めてないんです…。批判してるわけではないですよ。
油断させといてこういう展開をいれてくると、不意打ち食らったようになんとも言えなくなるのです。
酷いなぁ、みんなが幸せになれる世界線はないんですか?
まあ、つべこべ言ったところで作者がこういう展開を望んでいるのだから、僕達読者は大人しくそれについて行くしかないのです。嫌なら読むな、ってやつです。
そういえば、最近目にした物語、小説漫画以外にゲームまで、完全に不意打ちをしてくる作品ばかり目にして来ました。
例えば漫画なんかだと、今大流行中の『鬼滅の刃』、よくある少年漫画なのかなぁぐらいのテンションで読んでたのですが、普通にめちゃくちゃ人死んでてビビり散らかしました。僕が一番好きだったキャラクターも死んでしまいました…。
ですが、この『死生観』とでも言うのでしょうか、死んでしまったら終わりと言い方は悪いですが、それがこの作品を人気たらしめている魅力のひとつではないでしょうか、と思います。
『鬼滅の刃』も好きな作品なのでまた別に記事を書きたいです。
ゲームだと『ファイアーエムブレム 風花雪月』です。
このゲームのシリーズのファンでしたし、先行の情報で道徳心のないゲームだなと思ってはいましたが、実際にプレイヤーとして遊んでみるとまぁ、辛くて辛くて。
インタビューされた現役教師の方が『なんでそんなことをするんですか?』と答えてしまうのも納得できます。なんで自分の教え子どうしで戦争しなくちゃいけないんですか?
つらつらと最近見てて辛かった物語を書いてきましたが、味付けの足りない料理にスパイスを足すように、そういう物語も摂取したくなるのが人間の性です。僕だけかもしれませんが。
この物語の最後では、八雲が"見える"から故のラストシーンがあって、幕を閉じます。
もし最期に会えなくとも、こんな風に最期のお別れが出来たらいいのに、でも、自分は行かないでくれと引き止めてしまって、その人を困らせてしまうのではなかろうか、そんなことを思ってしまいます。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
二日連続『心霊探偵八雲』だったので、次は別の作品かつ心が暖かくなるものを用意します。
このご時世、物語の中でも幸せな世界でないと、やっていけないものです。
また明日お会いしましょう。